【SD不要】ESP32の内臓DACを使ってSPIFFS領域のMP3ファイルを再生する

ESP32の内臓DACを使ってSPIFFS領域のMP3ファイルを再生する

こんにちは。この度外部アンプを使わずに音声が再生できたので、簡単にやり方をまとめてみました。

今回やること

SPIFFS領域と呼ばれるESP32内にあるフラッシュメモリにMP3を入れて、そのファイルを内臓DACを使い信号に変換し、スピーカーに繋げて音を出しています!

実行環境

  • Windows10
  • Arduino 1.8.5

回路


制作の流れ

今回は回路だけではなく、音声をESP32に送り、再生用のライブラリをインストールする必要があります。
順に説明します^^

SPIFFS領域への音声ファイルの書き込み

ESP32にはフラッシュメモリが搭載されていて、4MBまでのファイルを入れることができます。この書き込むことの出来る領域をSPIFFS領域と言います。
Arduinoでの書き込みでは1MB程度が限度となっています。最大限使いたい場合はesp-idfを使いますが、ここではArduinoを使って説明します

Sketch data uploadのインストール

SPIFFS領域にファイルを送るにはSKetch data uploadという機能が必要です。
mgo-techさんの解説ページにインストール方法がありますので、それに従います。
インストールできるとこのように機能が追加されます。

また、ESP8266Spiramのインストールも必要です。同様にzipファイルをダウンロードし、中身のフォルダをArduiyo/libraryに入れましょう。

音声データの作成

本記事冒頭でお見せした再生例では、ファミマの入店音を使いました。比較的短めの効果音などはニコニ・コモンズで手に入りやすいです。

今回はnc18763をダウンロードして使わせていただきました。これに限らず、1MB以下のお好きなmp3音源を用意しましょう。

1MB以上あるデータはAudacityを使えばカット編集できるので、何とか1MB以下にできます。

SPIFFS領域へのファイルアップロード

  1. Arduinoを開き、空のプロジェクトのまま保存します。例として名前を「ESP32_PlayMP3FromSPIFFS」としました。
  2. そのファイル(.ino)があるフォルダを開き、dataフォルダを作成します。
  3. dataフォルダの中に作成したmp3ファイルを入れます。
  4. ArduinoのESP32 Sketch Data Uplodadをクリックすると、ファイルがアップロードされます。完了までしばらく待ちましょう。

これでファイルのアップロードは完了です。

プログラム

最後に、プログラムを書き込みます。今回はMP3を再生するのにESP8266Audioというライブラリを使います。ESP32でも動くようです。

ESP8266Audioのインストール

  1. Githubページに行き、Clone or Download> Download ZIPでzipファイルをダウンロードする。
  2. zipファイルをArduino>librariesフォルダにもっていき、解凍する。

これでインストール完了。Arduinoを再起動して、スケッチ例のところに表示されていれば成功。

プログラムの書き込み

これで準備は整ったので、以下のプログラムをコピペ→コンパイル。

// using libraries from https://github.com/earlephilhower/ESP8266Audio

#include <Arduino.h>
#ifdef ESP32
  #include <WiFi.h>
  #include "SPIFFS.h"
#else
  #include <ESP8266WiFi.h>
#endif
#include "AudioFileSourceSPIFFS.h"
#include "AudioFileSourceID3.h"
#include "AudioGeneratorMP3.h"
#include "AudioOutputI2SNoDAC.h"

AudioGeneratorMP3 *mp3;
AudioFileSourceSPIFFS *file;
AudioOutputI2S *out;
AudioFileSourceID3 *id3;


// Called when a metadata event occurs (i.e. an ID3 tag, an ICY block, etc.
void MDCallback(void *cbData, const char *type, bool isUnicode, const char *string)
{
  (void)cbData;
  Serial.printf("ID3 callback for: %s = '", type);

  if (isUnicode) {
    string += 2;
  }
  
  while (*string) {
    char a = *(string++);
    if (isUnicode) {
      string++;
    }
    Serial.printf("%c", a);
  }
  Serial.printf("'\n");
  Serial.flush();
}

void mp3begin(){
  file = new AudioFileSourceSPIFFS("/nc18763.mp3");
  id3 = new AudioFileSourceID3(file);
  id3->RegisterMetadataCB(MDCallback, (void*)"ID3TAG");
  //out = new AudioOutputI2SNoDAC();
  out = new AudioOutputI2S(0,AudioOutputI2S::INTERNAL_DAC);
  mp3 = new AudioGeneratorMP3();
  mp3->begin(id3, out);
}

void setup()
{
  WiFi.mode(WIFI_OFF); 
  Serial.begin(115200);
  delay(1000);
  SPIFFS.begin();
  Serial.printf("Sample MP3 playback begins...\n");
  mp3begin();
}

void loop()
{
  if (mp3->isRunning()) {
    if (!mp3->loop()) mp3->stop();
  } else {
    Serial.printf("MP3 done\n");
    delay(1000);
    mp3begin();
  }
}

mp3begin()は私が分かりやすくまとめた関数です。これを実行するとmp3が再生されます。
mp3begin()の最初の方にあるAudioFileSourceSPIFFS() の引数をアップロードしたファイル名にしましょう。
test.mp3の場合は

file = new AudioFileSourceSPIFFS("/test.mp3");

とします。

まとめ

音声が再生されましたでしょうか?
私が日本語で調べた限りでは、内臓DAC+トランジスタ+スピーカー+SDなしのMP3再生をしている記事は見つかりませんでしたので、今回簡単にまとめました。この構成が一番シンプルで安価に済むので、人感センサ―と組み合わせて家をファミマ化する際には役に立つかと。

質問がありましたら下のフォームからお願いいたします。

このような工作の進捗をちょくちょく上げているので、twitterのフォローをお願いします!

「【SD不要】ESP32の内臓DACを使ってSPIFFS領域のMP3ファイルを再生する」に2件のコメントがあります

  1. 今回用いられているスピーカーとトランジスタの詳しい情報を教えていただきたいです。

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