一人暮らしをしてから掃除機がなく、半年間ずっとコロコロでごまかしていましたが、角のゴミが取りづらい取りづらい。amazonでハンディ掃除機を探してみるも、意外と高い。ふと部屋の隅を見ると、なんとどのご家庭にもある3Dプリンターがある。ということで、今回は3Dプリンターをフルに活用して、遠心分離型のサイクロン掃除機を作ってみたので製作過程を紹介します。
出来た様子
意外と吸えます。
基本構造・構想
まず、なるべく3Dプリンターで作りたいという思いがあったため、3Dプリント部材以外で必要な部品は以下の3つのみに絞りました。
- モーター(入手性を考え、ミニ四駆モーターを採用)
- 電池ボックス
- 単三電池×3
また、各部品をなるべくサポートなしで作れること、及び後から必要な場所をアップデートできるという2点を考慮に入れ、各パーツをモジュール化しました。具体的には以下の4モジュール。
- バキュームポンプ
- サイクロン部
- ゴミコンテナ
- ノズル
バキュームポンプ
一般的な掃除機には、ターボファンorシロッコファンと呼ばれるファンが使われています。
通常のプロペラ型のファンは風量が出ますが、実は吸い込み力は強くありません。そこで登場するのがこのターボファンです。
反時計周りに回転すると、オレンジ色の方向へと排気されるのがイメージできると思います。このように遠心的に排気することで、中心に強い吸い込み力(負圧)が生じます。掃除機のように、流量が減っても吸い込み力を維持したい場合に非常に強力なファンです。
実際には排気と吸い込みの口を別にしないといけないため、外を覆うケースが必要となります。製品例を見ると分かりやすいです。
サイクロン部
サイクロンと言えばダイソンですね。筒内部に竜巻のような気流を生成し、重いチリなどを分離する仕組みです。
稚拙な図で申し訳ないですが、概要はこんなイメージ。バキュームが負圧を出すことで気流は上を行きます。それに伴いノズルから空気が入ってくるわけですが、壁に沿ってらせんを描くようになります。その遠心力により分離されたゴミがまとまって落ち、ゴミコンテナへと流れます。
設計
これで必要な仕組みが分かったので、Fusion360で設計します。
こちらはバキュームモジュール。最新版なので、上記の動画の物とは若干異なります。
そしてサイクロンモジュール。右側がノズル接続部分となっており、パイプはサイクロン部内で壁に沿うように湾曲しています。これで壁に沿った気流が作られます。
各モジュールはねじで簡単に着脱できるようにし、アップデートを容易にしました。
印刷
印刷にはSnapmaker 2.0を使用。3Dプリント、レーザー加工、CNC加工が一台でできる超優秀な子です。どうやら3Dプリント機能自体は初期モデルと大差ないようなので、初代もおすすめです。
ターボファンの印刷。非常に単純な構造なので、問題なく終わりました。これでも4時間かかってしまうんですよね。
次はサイクロンモジュールの印刷。気流がどう誘導されているかが結構分かりやすいと思います。3Dプリントの醍醐味は、この印刷中の輪切りになった状態が見れることですよね!
全ての必要部材がそろいました。
性能
再度貼ることになりますが、動いている様子はtwitterの動画をご覧ください。結構吸えます。
ただ、やはり電池だけでは吸引力が足りず、大きいものは吸っても途中で落ちてきます。米粒ぐらいが限界ですね。
今後の発展
今回は試作として1段のサイクロンのみですが、細かなチリやほこりはそのまま浮遊してバキュームへと移動してしまいます。それをHEPAフィルターなどで止めるのが一般的ですが、ダイソンはもう一段小さいサイクロンを大量に仕込み、細かいちりも強力な遠心力で分離し、フィルターの目詰まりを抑えています。
今後は同様の仕組みを入れようと思っています。
続報はTwitterをフォローしてお待ちください!
一人暮らしをしてから掃除機がなく、半年間ずっとコロコロでごまかしていましたが、角のゴミが取りづらい取りづらい。amazonでハンディ掃除機を探してみるも、意外と高い。ふと部屋の隅を見ると、なんとどのご家庭にもある3Dプリンターがある。ということで、今回は3Dプリンターをフルに活用して、遠心分離型のサイクロン掃除機を作ってみたので製作過程を紹介します。
目次
出来た様子
意外と吸えます。
基本構造・構想
まず、なるべく3Dプリンターで作りたいという思いがあったため、3Dプリント部材以外で必要な部品は以下の3つのみに絞りました。
また、各部品をなるべくサポートなしで作れること、及び後から必要な場所をアップデートできるという2点を考慮に入れ、各パーツをモジュール化しました。具体的には以下の4モジュール。
バキュームポンプ
一般的な掃除機には、ターボファンorシロッコファンと呼ばれるファンが使われています。
通常のプロペラ型のファンは風量が出ますが、実は吸い込み力は強くありません。そこで登場するのがこのターボファンです。
反時計周りに回転すると、オレンジ色の方向へと排気されるのがイメージできると思います。このように遠心的に排気することで、中心に強い吸い込み力(負圧)が生じます。掃除機のように、流量が減っても吸い込み力を維持したい場合に非常に強力なファンです。
実際には排気と吸い込みの口を別にしないといけないため、外を覆うケースが必要となります。製品例を見ると分かりやすいです。
サイクロン部
サイクロンと言えばダイソンですね。筒内部に竜巻のような気流を生成し、重いチリなどを分離する仕組みです。
稚拙な図で申し訳ないですが、概要はこんなイメージ。バキュームが負圧を出すことで気流は上を行きます。それに伴いノズルから空気が入ってくるわけですが、壁に沿ってらせんを描くようになります。その遠心力により分離されたゴミがまとまって落ち、ゴミコンテナへと流れます。
設計
これで必要な仕組みが分かったので、Fusion360で設計します。
こちらはバキュームモジュール。最新版なので、上記の動画の物とは若干異なります。
そしてサイクロンモジュール。右側がノズル接続部分となっており、パイプはサイクロン部内で壁に沿うように湾曲しています。これで壁に沿った気流が作られます。
各モジュールはねじで簡単に着脱できるようにし、アップデートを容易にしました。
印刷
印刷にはSnapmaker 2.0を使用。3Dプリント、レーザー加工、CNC加工が一台でできる超優秀な子です。どうやら3Dプリント機能自体は初期モデルと大差ないようなので、初代もおすすめです。
ターボファンの印刷。非常に単純な構造なので、問題なく終わりました。これでも4時間かかってしまうんですよね。
次はサイクロンモジュールの印刷。気流がどう誘導されているかが結構分かりやすいと思います。3Dプリントの醍醐味は、この印刷中の輪切りになった状態が見れることですよね!
全ての必要部材がそろいました。
性能
再度貼ることになりますが、動いている様子はtwitterの動画をご覧ください。結構吸えます。
ただ、やはり電池だけでは吸引力が足りず、大きいものは吸っても途中で落ちてきます。米粒ぐらいが限界ですね。
今後の発展
今回は試作として1段のサイクロンのみですが、細かなチリやほこりはそのまま浮遊してバキュームへと移動してしまいます。それをHEPAフィルターなどで止めるのが一般的ですが、ダイソンはもう一段小さいサイクロンを大量に仕込み、細かいちりも強力な遠心力で分離し、フィルターの目詰まりを抑えています。
今後は同様の仕組みを入れようと思っています。
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