【科学的に解説】なぜか頭を使うとすぐ疲れる?「体力の正体」と根本から疲れにくくなる方法

「難しい本を読んだり、集中して仕事したりすると、どっと疲れて眠くなる…」
「1日の活動時間が短く、すぐにHPがゼロになってしまう…」

もしあなたがそんな悩みを抱えているなら、原因は気合や根性ではなく、細胞レベルのエネルギー問題かもしれません。

この記事では、なぜ私たちが疲れるのかを科学的に解説し、日々の生活で根本から「疲れにくい身体」を手に入れるための具体的な方法をご紹介します。

■ 結論:今日からやるべきこと
先に結論です。疲れやすい体質を根本から改善するために、今日から意識すべきことはこの2つだけです。

食事: 抗酸化物質が豊富なベリー類、ナッツ、緑茶などを積極的に摂り、体内の「サビ」を減らしましょう。
行動: ウォーキングやHIIT(高強度インターバルトレーニング)などの運動を習慣にし、体力の最大値を決める「エネルギー工場」を増やしましょう。

■ なぜ?「疲れ」を生み出すミクロな交通渋滞
なぜ上記の食事と行動が有効なのでしょうか。その理由を理解するために、私たちの体の中で起きていることを少しだけ覗いてみましょう。

私たちの身体や脳が活動するためのエネルギーは、細胞の中にあるミトコンドリアという「エネルギー工場」で作られています。このミトコンドリアの数こそが、あなたの「体力の最大値(HP)」だと考えてください。

この工場ではATPというエネルギー通貨を生み出していますが、集中して頭を使うなどエネルギー需要が急増すると、工場はフル稼働状態になります。すると、工場の内部でミクロな「交通渋滞」が発生します。

少し専門的な話をすると、ミトコンドリアは膜の内外のプロトン(H⁺)の濃度差を使ってATPを生産します。ところが、工場が忙しすぎるとプロトンの流れが滞り、エネルギー生産ラインで電子が詰まってしまうのです。この渋滞の結果、生産ラインから活性酸素という、細胞をサビつかせる有害な物質が漏れ出てしまいます。

この活性酸素こそが「疲れ」や「眠気」の直接的な原因の一つなのです。

ここで重要なのが、ミトコンドリアの数です。同じ負荷(仕事量)がかかったとしても、ミトコンドリアの数が2倍あれば、一つ一つの工場の稼働率は半分で済みます。各工場が余裕を持って稼働できるため、交通渋滞は起きにくく、活性酸素もほとんど発生しません。つまり、疲れやすい人とは、ミトコンドリアの数が少ないため、この「ミトコンドリアの交通渋滞」が起きやすく、活性酸素が発生しやすい状態にあると言えるのです。

■ 運動なんて無理!という人のための「はじめの一歩」
「根本改善には運動が良いのは分かったけど、そもそも運動する元気がない…」

ご安心ください。そんな状態から抜け出すための、最初のブースト方法があります。まずは食事やサプリメントで体内の環境を整え、ごく軽い活動からミトコンドリアを元気にしていきましょう。

1. まずは「燃料」と「潤滑油」を補給する
ここで言う「燃料」とはATP生産に欠かせない栄養素、「潤滑油」は発生した活性酸素を取り除く抗酸化物質、つまり「サビ取り物質」を指します。

CoQ10(コエンザイムQ10)を試す: CoQ10は、ミトコンドリアのエネルギー生産ラインに不可欠な部品でありながら、それ自体が強力な抗酸化物質でもあります。まさに一石二鳥の栄養素で、イワシや牛肉などに多く含まれますが、サプリメントで効率よく摂取するのがおすすめです。

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B群ビタミンを意識する: ビタミンB群は、エネルギー生産の各段階で必要となる重要な栄養素です。特に豚肉や玄米、豆類に多く含まれます。

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飲み物を緑茶に変える: 緑茶に含まれるカテキンは非常に強力な抗酸化物質です。コーヒーを飲む習慣がある方も、1日1杯を緑茶に変えるだけで、体内のサビ取りに貢献できます。

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2. 「運動未満」の活動でエネルギー工場を増やす
ミトコンドリアを増やすのに、必ずしも激しい運動は必要ありません。「エネルギーがもっと必要だ!」というサインを体に送り続けることが重要です。

まずは「10分間の散歩」から: 一番のおすすめは、毎日決まった時間に10分だけ散歩することです。これだけでも、体はエネルギー需要を感じ取り、ミトコンドリアを少しずつ増やし始めます。

NEAT(ニート)を増やす: NEATとは「非運動性熱産生」のことで、簡単に言えば「運動以外の生活活動」です。エレベーターを階段にする、一駅手前で降りて歩く、こまめに立ち上がって伸びをするなど、日常の活動量を少しだけ増やすことが、着実に体力を向上させます。

冷水で顔を洗う: 朝、冷たい水で顔を洗うのも効果的です。この「ヒヤッ」とする軽いストレスが、ミトコンドリアを活性化させる良い刺激になります。

■ まとめ
疲れの正体は、あなたの体力(ミトコンドリアの数)に対して、仕事の負荷が大きすぎるときに起こる「エネルギー工場の交通渋滞」でした。

日々の食事でベリーやナッツなど抗酸化物質を摂って工場のメンテナンス(サビ取り)をしつつ、散歩などの軽い有酸素運動で工場の数を増やしていく

この両輪を回し始めることで、あなたの身体は根本から疲れにくい、エネルギッシュな状態へと変わっていきます。ぜひ、今日できることから試してみてください。

この記事を書いた人

わくてく

電子工作/MI/HPA