目次
ESP32の内臓DACを使ってSPIFFS領域のMP3ファイルを再生する
こんにちは。この度外部アンプを使わずに音声が再生できたので、簡単にやり方をまとめてみました。
今回やること
ESP32の内蔵DAC+トランジスタ+スピーカーだけで、MP3再生
(1MB程度の音源なら入るので、もう少し長いのでもOK)#esp32 pic.twitter.com/TTe4E5WgqJ— ????????????-???????????????? (@wak_tech) April 15, 2019
SPIFFS領域と呼ばれるESP32内にあるフラッシュメモリにMP3を入れて、そのファイルを内臓DACを使い信号に変換し、スピーカーに繋げて音を出しています!
実行環境
- Windows10
- Arduino 1.8.5
回路
制作の流れ
今回は回路だけではなく、音声をESP32に送り、再生用のライブラリをインストールする必要があります。
順に説明します^^
SPIFFS領域への音声ファイルの書き込み
ESP32にはフラッシュメモリが搭載されていて、4MBまでのファイルを入れることができます。この書き込むことの出来る領域をSPIFFS領域と言います。
Arduinoでの書き込みでは1MB程度が限度となっています。最大限使いたい場合はesp-idfを使いますが、ここではArduinoを使って説明します。
Sketch data uploadのインストール
SPIFFS領域にファイルを送るにはSKetch data uploadという機能が必要です。
mgo-techさんの解説ページにインストール方法がありますので、それに従います。
インストールできるとこのように機能が追加されます。
また、ESP8266Spiramのインストールも必要です。同様にzipファイルをダウンロードし、中身のフォルダをArduiyo/libraryに入れましょう。
音声データの作成
本記事冒頭でお見せした再生例では、ファミマの入店音を使いました。比較的短めの効果音などはニコニ・コモンズで手に入りやすいです。
今回はnc18763をダウンロードして使わせていただきました。これに限らず、1MB以下のお好きなmp3音源を用意しましょう。
1MB以上あるデータはAudacityを使えばカット編集できるので、何とか1MB以下にできます。
SPIFFS領域へのファイルアップロード
- Arduinoを開き、空のプロジェクトのまま保存します。例として名前を「ESP32_PlayMP3FromSPIFFS」としました。
- そのファイル(.ino)があるフォルダを開き、dataフォルダを作成します。
- dataフォルダの中に作成したmp3ファイルを入れます。
- ArduinoのESP32 Sketch Data Uplodadをクリックすると、ファイルがアップロードされます。完了までしばらく待ちましょう。
これでファイルのアップロードは完了です。
プログラム
最後に、プログラムを書き込みます。今回はMP3を再生するのにESP8266Audioというライブラリを使います。ESP32でも動くようです。
ESP8266Audioのインストール
- Githubページに行き、Clone or Download> Download ZIPでzipファイルをダウンロードする。
- zipファイルをArduino>librariesフォルダにもっていき、解凍する。
これでインストール完了。Arduinoを再起動して、スケッチ例のところに表示されていれば成功。
プログラムの書き込み
これで準備は整ったので、以下のプログラムをコピペ→コンパイル。
// using libraries from https://github.com/earlephilhower/ESP8266Audio
#include <Arduino.h>
#ifdef ESP32
#include <WiFi.h>
#include "SPIFFS.h"
#else
#include <ESP8266WiFi.h>
#endif
#include "AudioFileSourceSPIFFS.h"
#include "AudioFileSourceID3.h"
#include "AudioGeneratorMP3.h"
#include "AudioOutputI2SNoDAC.h"
AudioGeneratorMP3 *mp3;
AudioFileSourceSPIFFS *file;
AudioOutputI2S *out;
AudioFileSourceID3 *id3;
// Called when a metadata event occurs (i.e. an ID3 tag, an ICY block, etc.
void MDCallback(void *cbData, const char *type, bool isUnicode, const char *string)
{
(void)cbData;
Serial.printf("ID3 callback for: %s = '", type);
if (isUnicode) {
string += 2;
}
while (*string) {
char a = *(string++);
if (isUnicode) {
string++;
}
Serial.printf("%c", a);
}
Serial.printf("'\n");
Serial.flush();
}
void mp3begin(){
file = new AudioFileSourceSPIFFS("/nc18763.mp3");
id3 = new AudioFileSourceID3(file);
id3->RegisterMetadataCB(MDCallback, (void*)"ID3TAG");
//out = new AudioOutputI2SNoDAC();
out = new AudioOutputI2S(0,AudioOutputI2S::INTERNAL_DAC);
mp3 = new AudioGeneratorMP3();
mp3->begin(id3, out);
}
void setup()
{
WiFi.mode(WIFI_OFF);
Serial.begin(115200);
delay(1000);
SPIFFS.begin();
Serial.printf("Sample MP3 playback begins...\n");
mp3begin();
}
void loop()
{
if (mp3->isRunning()) {
if (!mp3->loop()) mp3->stop();
} else {
Serial.printf("MP3 done\n");
delay(1000);
mp3begin();
}
}
mp3begin()は私が分かりやすくまとめた関数です。これを実行するとmp3が再生されます。
mp3begin()の最初の方にあるAudioFileSourceSPIFFS() の引数をアップロードしたファイル名にしましょう。
test.mp3の場合は
file = new AudioFileSourceSPIFFS("/test.mp3");
とします。
まとめ
音声が再生されましたでしょうか?
私が日本語で調べた限りでは、内臓DAC+トランジスタ+スピーカー+SDなしのMP3再生をしている記事は見つかりませんでしたので、今回簡単にまとめました。この構成が一番シンプルで安価に済むので、人感センサ―と組み合わせて家をファミマ化する際には役に立つかと。
質問がありましたら下のフォームからお願いいたします。
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今回用いられているスピーカーとトランジスタの詳しい情報を教えていただきたいです。
スピーカーは以下の商品を使っています。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g112587/
トランジスタはうろ覚えで申し訳ありませんが、おそらく2SC1815かと思います。