忙しい人のためのKiCAD使い方 コメントする / FusionPCB、基板 / By わくてく 忙しい人のために、基板製作ができる最低限の機能を爆速で紹介していきます。 目次1 参考文献2 プロジェクト作成3 部品追加3.1 既存部品の場合3.2 誰かが作ってくれた場合3.3 自分で作る場合4 回路図を書く4.1 操作4.2 グローバルラベル4.3 エレクトリカルルールチェック4.4 ネットリスト生成4.5 フットプリントを関連付け5 基板を設計する5.1 ネットリスト読み込み5.2 外形決め5.3 部品配置5.4 配線5.5 Autorouter5.6 ベタGNDの作成6 ガーバーファイル(製造用データ)を出力する7 基板製造をお願いする8 基板到着8.1 こんな記事もあります! 参考文献 KiCADことはじめ プロジェクト作成 部品追加 プロジェクト内の.schファイルを開き編集 【便利なショートカットキー(画面上にカーソルを合わせるだけで使える)】 【R】回転(Rotation) 【M】移動(Move) 【C】コピー(Copy) 【E】編集(Edit) 【V】値を変更 【Delete】消去 既存部品の場合 右コラムの「シンボルを追加」を選択 部品名で探してクリック。 その後設計図内でクリックして配置。 誰かが作ってくれた場合 有志の秋月電子の部品ライブラリを例にします。 設定>シンボルライブラリを管理を選択 追加ボタン(フォルダのマーク)をクリック ダウンロードした.libファイルを選択 これで読み込み完了 自分で作る場合 もちろん自分でライブラリを作成できる。 上バー内の「シンボルを作成」を選択 ファイル>新規ライブラリ を選択 今後他のプロジェクトでも部品を使いたい場合は「グローバル」を選択 画面左上「新しいシンボルを作成」を選択。先程のライブラリを選ぶ。 シンボル名などは適当に決める 文字はドラッグして選択すると動かせる 右バー「シンボルにピンを追加」を選択して配置。 エレクトリックタイプは、マイコンの場合はパッシブをお勧めする。OKを押す。 丸いところに線をつなぐので、外側に向けるようにする。 矩形で囲ったりして完成 Eeschema(回路図を配置するウィンドウ)の方で適当にクリックして、自作したライブラリを選ぶ。中に作ったシンボルが入っているので選んで「OK」。 これで配置完了 回路図を書く 部品を配置後、ワイヤーで繋げていく。 ワイヤーは各部品のピンと重なるように伸ばす。横切るような線を引くと、自動で結合点(緑の点)が追加される。 操作 移動 部品上で「G」を押す 回転 部品上で「R」を押す グローバルラベル 右ツールバーのグローバルラベルを選択して配置すると、同じラベル同士は同じ線に繋がったことになる。 以下は、マイコンから「row3」という名前を付けたラベルを伸ばし、他の部分に接続した例。線をワープできる、どこでもドア的なイメージ。 エレクトリカルルールチェック 繋がっていない部分がないか、電気的におかしい部分はないかをチェックする。 よくあるエラーが「未接続のピン」。マイコンなどの使わないピンは、未接続フラグ(×マーク)をつけておく。 各警告メッセージをクリックすると、どの場所について言っているのかを示してくれる。 全ての警告が無くなると以下のようになる。 これで回路図は完成。 ネットリスト生成 基板に落とすため、部品の属性一覧である「ネットリスト」を生成する。 「ネットリストを生成」をクリックして、プロジェクト内に保存して終了。 フットプリントを関連付け 実際の基板のファイルを作る前に、各部品がどのフットプリント(実際に印刷される部品の形)に対応しているのかを指定する必要がある。 まず、「フットプリントを関連付け」メニューを開く。 真ん中のウィンドウには各部品とそのフットプリントのリストができている。割り当てられていない場合は、左の「フットプリントライブラリー」から部品を探し、右メニューの「フィルターされたフットプリント」の部品名をダブルクリックで適用する。 全て関連付けたら、「適用して、回路図の保存&続行」をクリック。 基板を設計する ホームに戻り、「PCB レイアウトエディタ」をクリック 基板を生成すると以下の画面になる。 ネットリスト読み込み 「ネットリストをロード」を選択し、上記で作成したネットリストファイルを選択。「基板を更新」をクリックする。 すると、部品が読み込まれる。 外形決め 基板の外形をまず決める。右のレイヤーパネルから、「Edge.Cuts」を選択(青い三角)する。 「図形ラインを追加」で四角く囲うなどして、外形を書いていく。「Edge.Cuts」レイヤーで書かれた部分が切断されて基板となるだけなので、円や曲線で書いてもOK。 線の長さや座標は下に表示されるので、見ながらサイズ調節をする。 部品配置 移動 部品上で「M」 回転 部品上で「R」 以上の2つで大抵は事足りる。外形内に部品を全て入れる。(以下例) 配線 白い線で繋がっている部分を、実際の導線に変えて設計する。結線には「F.Cu」と「B.Cu」の2種類のレイヤーを使う。それぞれF:Front, B:Backの意味。 まずF.Cuレイヤーを選択し、「配線」ボタンを押して各部品を繋げる。 繋げてみると以下のようになる。 上記のように、全ての部品を繋げれば完成だが、非常に時間がかかる。特に急いでいる人はこれでは間に合わない。そこで私は自動結線機能である「Autorouter」を利用した。 Autorouter Autorouterの使い方はこちらが非常に参考になった。 自動配線したものを読み込むと以下のようになる。 素晴らしい。たったの5秒でここまで配線される。 ベタGNDの作成 様々な場所に使われるGNDをべた塗りすることで、ノイズに強くなる。 右パネルの「塗りつぶしゾーンを追加」を選択。 「導体ゾーンのプロパティ」ウィンドウが出てくるので、GNDを選び、OK 基板外径を囲い、四角を書くと以下のようにべた塗りが追加される。 ガーバーファイル(製造用データ)を出力する 基板が完成したらガーバーファイルを出力する。このファイルを各種サービスに送信すれば、製造してくれる。 ファイル>プロットを選択 「製造ファイルを出力」ウィンドウが開く。 この時の設定は、基板製造会社に依存する。例えば、私がお世話になっているFutionPCBさんでは、KiCADからガーバーファイルを出力する方法という解説が公開されている。これに従って製造ファイルを出力する。 出力したファイルは、プロジェクトフォルダ内に散らばっている。更新日時でソートして、これらのファイルを適当なフォルダに入れる。 その後、そのフォルダをzip化する。 基板製造をお願いする 今回はFusionPCBの例を示す。 FusionPCBの注文ページに行き、「ガーバーファイルを追加」から先程作ったzipファイルを選択する。 ガーバービューアーを開けば、製造後どのようになるかがある程度分かる。 基本的に、値段を変えずに設定可能なのは赤枠内。若干薄くしたり、基板全体の色を変えたりできる。基板の色は緑が一般的だが、好きな色を選んでテンションを上げた方がいい。 また、寸法は100×100mm以内であれば、10枚で$4.9という破格で注文できる。送料込みで約2000円となる。 板厚、レジスト色、値段、心の準備ができたら「カートに追加」をクリック。Paypalで支払えるため、心理的な安心感もある。 基板到着 注文から到着まで、丁度2週間かかった。 ぴちぴちに梱包されて届く。 これを機に、自作基板へ挑戦して欲しい。 因みにFusionPCBを使い続けてtwitterで報告していたら、wak-tech専用クーポンコードを頂き、広めてほしいとの連絡。コードを入れるだけで$5安くなるので、初回は是非ご活用ください。 こんな記事もあります!【動画で解説】ゼロから始めるプリント基板自作・設計入門(EAGLE,FusionPCBでの発注)ESP32-DevKitCを挿してタッチピアノにする基板「ESPiano」を作った完全初心者のための基板製作入門(EAGLE・FusionPCB)【アイロン不要】プリント基板を自作してみよう【生基板】
忙しい人のために、基板製作ができる最低限の機能を爆速で紹介していきます。
目次
参考文献
KiCADことはじめ
プロジェクト作成
部品追加
プロジェクト内の.schファイルを開き編集
【便利なショートカットキー(画面上にカーソルを合わせるだけで使える)】
既存部品の場合
右コラムの「シンボルを追加」を選択
部品名で探してクリック。
その後設計図内でクリックして配置。
誰かが作ってくれた場合
有志の秋月電子の部品ライブラリを例にします。
これで読み込み完了
自分で作る場合
もちろん自分でライブラリを作成できる。
Eeschema(回路図を配置するウィンドウ)の方で適当にクリックして、自作したライブラリを選ぶ。中に作ったシンボルが入っているので選んで「OK」。
これで配置完了
回路図を書く
部品を配置後、ワイヤーで繋げていく。
ワイヤーは各部品のピンと重なるように伸ばす。横切るような線を引くと、自動で結合点(緑の点)が追加される。
操作
部品上で「G」を押す
部品上で「R」を押す
グローバルラベル
右ツールバーのグローバルラベルを選択して配置すると、同じラベル同士は同じ線に繋がったことになる。
以下は、マイコンから「row3」という名前を付けたラベルを伸ばし、他の部分に接続した例。線をワープできる、どこでもドア的なイメージ。
エレクトリカルルールチェック
繋がっていない部分がないか、電気的におかしい部分はないかをチェックする。
よくあるエラーが「未接続のピン」。マイコンなどの使わないピンは、未接続フラグ(×マーク)をつけておく。
各警告メッセージをクリックすると、どの場所について言っているのかを示してくれる。
全ての警告が無くなると以下のようになる。
これで回路図は完成。
ネットリスト生成
基板に落とすため、部品の属性一覧である「ネットリスト」を生成する。
「ネットリストを生成」をクリックして、プロジェクト内に保存して終了。
フットプリントを関連付け
実際の基板のファイルを作る前に、各部品がどのフットプリント(実際に印刷される部品の形)に対応しているのかを指定する必要がある。
まず、「フットプリントを関連付け」メニューを開く。
真ん中のウィンドウには各部品とそのフットプリントのリストができている。割り当てられていない場合は、左の「フットプリントライブラリー」から部品を探し、右メニューの「フィルターされたフットプリント」の部品名をダブルクリックで適用する。
全て関連付けたら、「適用して、回路図の保存&続行」をクリック。
基板を設計する
ホームに戻り、「PCB レイアウトエディタ」をクリック
基板を生成すると以下の画面になる。
ネットリスト読み込み
「ネットリストをロード」を選択し、上記で作成したネットリストファイルを選択。「基板を更新」をクリックする。
すると、部品が読み込まれる。
外形決め
基板の外形をまず決める。右のレイヤーパネルから、「Edge.Cuts」を選択(青い三角)する。
「図形ラインを追加」で四角く囲うなどして、外形を書いていく。「Edge.Cuts」レイヤーで書かれた部分が切断されて基板となるだけなので、円や曲線で書いてもOK。
線の長さや座標は下に表示されるので、見ながらサイズ調節をする。
部品配置
部品上で「M」
部品上で「R」
以上の2つで大抵は事足りる。外形内に部品を全て入れる。(以下例)
配線
白い線で繋がっている部分を、実際の導線に変えて設計する。結線には「F.Cu」と「B.Cu」の2種類のレイヤーを使う。それぞれF:Front, B:Backの意味。
まずF.Cuレイヤーを選択し、「配線」ボタンを押して各部品を繋げる。
繋げてみると以下のようになる。
上記のように、全ての部品を繋げれば完成だが、非常に時間がかかる。特に急いでいる人はこれでは間に合わない。そこで私は自動結線機能である「Autorouter」を利用した。
Autorouter
Autorouterの使い方はこちらが非常に参考になった。
自動配線したものを読み込むと以下のようになる。
素晴らしい。たったの5秒でここまで配線される。
ベタGNDの作成
様々な場所に使われるGNDをべた塗りすることで、ノイズに強くなる。
右パネルの「塗りつぶしゾーンを追加」を選択。
「導体ゾーンのプロパティ」ウィンドウが出てくるので、GNDを選び、OK
基板外径を囲い、四角を書くと以下のようにべた塗りが追加される。
ガーバーファイル(製造用データ)を出力する
基板が完成したらガーバーファイルを出力する。このファイルを各種サービスに送信すれば、製造してくれる。
ファイル>プロットを選択
「製造ファイルを出力」ウィンドウが開く。
この時の設定は、基板製造会社に依存する。例えば、私がお世話になっているFutionPCBさんでは、KiCADからガーバーファイルを出力する方法という解説が公開されている。これに従って製造ファイルを出力する。
出力したファイルは、プロジェクトフォルダ内に散らばっている。更新日時でソートして、これらのファイルを適当なフォルダに入れる。
その後、そのフォルダをzip化する。
基板製造をお願いする
今回はFusionPCBの例を示す。
FusionPCBの注文ページに行き、「ガーバーファイルを追加」から先程作ったzipファイルを選択する。
ガーバービューアーを開けば、製造後どのようになるかがある程度分かる。
基本的に、値段を変えずに設定可能なのは赤枠内。若干薄くしたり、基板全体の色を変えたりできる。基板の色は緑が一般的だが、好きな色を選んでテンションを上げた方がいい。
また、寸法は100×100mm以内であれば、10枚で$4.9という破格で注文できる。送料込みで約2000円となる。
板厚、レジスト色、値段、心の準備ができたら「カートに追加」をクリック。Paypalで支払えるため、心理的な安心感もある。
基板到着
注文から到着まで、丁度2週間かかった。
ぴちぴちに梱包されて届く。
これを機に、自作基板へ挑戦して欲しい。
因みにFusionPCBを使い続けてtwitterで報告していたら、wak-tech専用クーポンコードを頂き、広めてほしいとの連絡。コードを入れるだけで$5安くなるので、初回は是非ご活用ください。